海外人気法廷ドラマ「SUITS(スーツ)」が日本版としてリメイクされ、1991年に社会現象を巻き起こしたドラマ「東京ラブストーリー」の リカとカンチこと鈴木保奈美と織田裕二の27年ぶり再共演が実現しています。
イギリス王室ヘンリー王子と結婚した元女優のメーガン・マークルも出演していた海外ドラマ「SUITS(スーツ)」のキャストや見どころとともに月9「スーツ」を比較してみます。
Contents(目次)
「SUITS(スーツ)」あらすじ比較
日本版および海外版どちらも、はじまりのストーリーは「ほぼ同じ」ですが、国が違えば法律も違うことで、作品が出すイメージは異なっているように思います。
ほとんどのリメイク作品は、原題(オリジナル)ドラマがあるがために、どうしても思い出してしまい面白味に欠けることが多いのです。
しかし、日本リメイク版「SUITS」はキャラクター性と脚色がとても上手く構成されているため、現題を見たことがある方でも別作品として視聴することができました。
海外ドラマ原題「SUITS」あらすじ
名門大学であるハーバード大のロー・スクールを出身した者しか採用しないというマンハッタンの超一流法律事務所のピアソン・ハードマンが舞台となっています。
事務所の顔でもあり、敏腕弁護士のハーヴィー・スペクターは部下も持たずに一人で奮闘していましたが、上司であるジェシカ・ピアソンからの強請で、しぶしぶ採用面接会場に秘書のドナと臨みます。
そこに、祖母の病院費用滞納分を払うため、悪友の持ってきた麻薬密売を引き受けたマイクが、密売捜査で捕まりそうになり、たまたま面接会場に飛び込みます。
マイクの並外れた頭脳を見抜いたハーヴィーは、学歴詐称をしながら法律事務所で働くことを容認し、マイクを採用するのです。
日本リメイク版月9「スーツ」あらすじ
弁護士事務所に所属する敏腕弁護士・甲斐正午(織田裕二)は事務所内でもトップクラスの稼ぎ頭であるが、傲慢すぎる性格が災いしています。
ある日、上司(鈴木保奈美)から昇進の条件として、アソシエイト(パートナーとして働く若手弁護士)を雇うことを言い渡され、しかたなく秘書の玉井伽耶子(中村アン)とともに新人採用面接を行います。
そこに頭脳明晰で、一度見たものは決して忘れないという驚異的な記憶力を持っているにもかかわらず、鈴木大貴(中島裕翔)が転がり込みます。
悪友の影響で、替え玉受験などをして道を誤った鈴木大貴(中島裕翔)は、弁護士資格を取れるほどの頭脳を持っていましたが、弁護士資格を取ることができません。
甲斐は大貴に「鈴木大輔」として経歴詐称するように提案し、自分の部下にすることにしました。秘密を共有した甲斐と大貴は、バディとして成長しながら、数々の訴訟を解決していくことになります。
「SUITS」海外ドラマと月9リメイク版の違い
冷静沈着でカリスマ性があるが、他人に思いやりを見せない敏腕弁護士と、頭脳は明晰で庶民的で思いやりがあるが、経歴詐称のアソシエイトである正反対の2人がバディを組み、キャリアを気付いていく点が大きな見どころとなっています。
「SUITS」は法律を扱うドラマでありながら、軽快でコミカルなセリフ回しがクスっと笑え、部下の能力を引き出す育て方をスマートに描いているので、説教くさくありません。
ドラマのタイトルでもあるスーツの着こなしも広い年代に注目され、女性だけでなく男性からもスタイリッシュなビジネスライフを評価された作品です。
海外ドラマ版の主役・ハーヴィーは、映画「007」のジェームス・ボンドを彷彿させる184cmの高身長を活かしたタレ目イケメンで都会的です。そのハーヴィー役を、スーツ役の経験が多かった織田裕二が、日本人らしいクライアントへの誠実感を加えてリメイクしています。
日本版ではビジネスシーンにおいて若い世代とバディを組み、成果をあげながらお互いが成長していくビジネスモデルが少ないので、弁護士ドラマとしてではなく、ビジネスドラマとして楽しめるでしょう。
リメイク版で、大きなキャストの構成変更はしていないですが、海外ドラマでマイクの恋人になった友人トレヴァーの元恋人・ヴァネッサ役を変更し、大貴の悪友の妹・谷元砂里(今田美桜)に変更しています。
また、弁護士のひとりであるリック・ホフマン演じるルイス・リットは、ひねくれている人物で人が傷つく言葉や態度を平気でとり、部下への指導も厳しいので、周囲からはあまりよく思われていません。
しかし、厳しい環境で鍛錬してほしいという彼なりの意図があり、風変りながらもどこか憎むことが出来ないキャラクター性の持ち主です。
出典:https://www.usanetworkstore.com/
そんなルイスには、ルイスの苗字リットと、「光った」などという意味を持つ“Lit”をかけてか、"私が目を光らせているからな!"という意味で「リットしてやる」「リットされたいのか」という彼の決め台詞が度々出てきます。
ちなみにリットは、“YOU JUST GOT LITT UP!(リットしてやる!)”とプリントされているマグカップを使っています。
キャラクターをコミカルに表現するアメリカならではのお茶目なルイス役は、日本リメイク版では、44歳の小手伸也(蟹江 貢役)が蟹江貢(通称:カニ)と呼ばれ、キモく好演ています。
アメリカ版のルイスとマイクの掛け合いよりも、日本リメイク版の蟹江と大貴の掛け合いの方が数倍面白いです。
海外ドラマ「SUITS」の視聴率や海外評価
海外ドラマ「SUITS」は、2011年に放送が開始され、2019年までシーズンが続きました。
視聴率も取れていたので、世界的に人気が高いことは間違いありません。
ドラマ作品は、ピープルズ・チョイス・アワードに2度ノミネート、他にも数々の賞にノミネートされています。
また、マイク・ロス役のパトリック・J・アダムスは、2012年スクリーン・アクター・ギルド賞で最優秀男優演技賞にノミネートされています。
上司・ジェシカ・ピアソン役のジーナ・トーレスジーナ・トーレスは、助演女優賞を2度受賞している上に、2013年のNHMCインパクト賞でテレビシリーズ分野においての最優秀演技賞を受賞しています。
そんな原作ドラマ「SUITS」ですが2011年放送当時は、爆発的にヒットせず、ゆっくりと人気がでてきた作品でした。
シーズン3の10エピソードあたりで5億3千6百万人と視聴者が増加、2013年には最高視聴率を取るまでに成長していったようです。
出演キャスト比較
敏腕弁護士役
法律事務所(日本では弁護士事務所)に所属している敏腕弁護士、多少のわがままも経営者から許されている存在です。
ハーヴィー・スペクター(ガブリエル・マクト)
出典:https://www.manners.nl/
ガブリエル・マクトは、1972年生まれで、放送開始時は39歳です。
8歳の時に映画「Why Would I Lie?」に出演し、多くの賞にノミネートされた実力派俳優です。
名作「ビバリーヒルズ高校白書」「セックス・アンド・ザ・シティー」「ナンバーズ」にも出演経験があり、「SUITS」で高い評価を得てからは上品で洗練された紳士のイメージが強くなりました。
すでに結婚していて、子供は2人、共演したメーガン妃のロイヤルウエディングにも他の共演者とともに出席していたという話です。
甲斐正午(織田裕二)
日本リメイク版ハーヴィーは、50歳からスタートしています。
20代で「東京ラブストーリー」「振り返れば奴がいる」を大ヒットさせ、30代からは「踊る大捜査線」で青島役でブレイクしました。
まさか50代で返り咲いて、上手く日本版としてのハーヴィーが新しい織田裕二のイメージを作るとは思いませんでした。
アソシエイト(バディ)役
ひょんなことから敏腕弁護士の元でアソシエイト(若手弁護士、アシスタントの位置づけ)で働くこととなる頭脳明晰な青年です。
頭脳を生かし、信頼を得ていくことになります。
マイク・ロス(パトリック・J・アダムス)
出典:https://warosu.org/
1981年生まれで撮影当時は29歳で、ハーヴィー役のガブリエルとは、10歳差でしたが、それ以上の年齢差に見えました。
2011年にはドラマ内でメーガン妃に2回ひっぱ叩かれています。
2016年10月に7年付き合った彼女と2年の婚約期間を経てようやく結婚し、結婚式には、多くの「SUITS」共演者が出席して祝福してくれたようです。
残念なことに、マイク役のパトリックは、シーズン7で降板しています。
降板理由は「家族のため」だとか。
撮影が始まれば家にいられる時間が限られてしまうため、決断したということかもしれません。
鈴木大貴(中島祐翔)
原題「SUITS」のマイクとは異なり、日本リメイク版では「鈴木大輔」と名前を変えて、アソシエイト業務を行います。
そんな自然体な役柄を24歳からの中島祐翔が演じることになりました。
織田裕二との実際の年齢差が26歳あることで、現在の日本の理解しずらい年齢差の難しさがコミカルになりました。
女性上司役
弁護士事務所の共同経営者のうちの一人で女性の上司です。
ビジネスシーンらしからぬ派手なドレスアップで出勤することも。
アメリカ版は黒人女性で、原作ストーリーでは男性キャストでの配役も考えられていたようです。
ジェシカ・ピアソン(ジーナ・トーレス)
出典:http://www.usanetwork.com/
離婚経験があり、プライベートを干渉しないタイプの女性です。
シーズン6で囚人の命を救い、自らが事務所を去ることでドラマ「SUITS」からも去ります。
これでドラマ契約は終了だったようです。
海外ドラマを多く視聴している方は、有名作品に多く出演しているため一度は見たことがある女優です。
幸村チカ(鈴木保奈美)
内に秘める強さを持ちタフな女性である女性上司役として、鈴木保奈美がキャスティングされたことで、不朽の名作「東京ラブストーリー」が再び注目されました。
東京ラブストーリーの「リカとカンチ」のような関係にはストーリー上いかないですが、どうしても結びつけたくなりますね。
事務所で働くパラリーガル
イギリス王室ヘンリー王子と結婚した元女優のメーガン・マークルが演じた役どころです。
優秀なのになぜ弁護士の資格を取れず、試験を受けることがトラウマになっている女性です。
職場で恋愛はしない主義の彼女でしたが、マイクに惹かれていきます。
レイチェル・ゼイン(メーガン・マークル)
出典:https://www.elle.com/
1981年8月4日カリフォルニア州ロサンジェルス出身で、撮影当時28歳でした。
いまや、イギリス王室メーガン妃になりましたね。
ハリー王子との結婚でメーガンはこれまでの生活にさよならすることになり、シーズン8にはメーガン似の代役も決まりました。
当然がっかりしていたファンも多かったようで、メーガン妃が「SUITS」に戻るべきか?というアンケートが海外で実施されました。
結果
- 「SUITS」にメーガンは必要だ 35.2%
- 「SUITS」はメーガン似の代役のままで 64.8%
引用元:https://thetylt.com/entertainment/megan-markle-suits
この結果をどう捕らえるかは皆さんにお任せします。
聖澤真琴(新木優子)
メーガン妃の役どころは、キレイでスタイルが良く、金持ちなのに親に頼らずに自立している女性でした。
そんな雰囲気を持っていることが条件になります。
演技力に定評があり活躍中の新木優子が、賢い女性を演じ切っています。
日本リメイク版「スーツ」への海外コメント
日本でのリメイク版「スーツ」について、海外からのコメントは以下のとおりです。
NBCUniversal International Formats(エヌビーシーユニバーサルインターナショナルフォーマット)とフジテレビは、はじめての台本付きの売買契約に合意しました。
契約先のアナ・ランジェンバーグ氏も「SUITSのようなアメリカの人気ドラマがフジテレビを中心にアジア中でそのブランドをさらに広げていくのはうれしい。」とコメントしています。
引用元:https://www.hollywoodreporter.com/news/suits-get-japanese-remake-1131603
すでに日本リメイク版より先に「SUITS」は韓国でリメイクされており、主演はチャン・ドンゴンが演じています。
韓国内でヒットし、アジア圏にも輸出されていますが、日本版「SUITS」は、日本のみならずアジア圏からどのような評価を受けることになるのでしょうか。
「SUITS」比較まとめ
フジテレビの大ヒットドラマ「東京ラブストーリー」以来27年ぶりの共演となる織田裕二と鈴木保奈美が、日本リメイク版「SUITS(スーツ)」で、どのような掛け合いを見せるのか。
「東京ラブストーリー」が同じ月9作品ということで、パロディー要素が組み込まれてくるのかも注目したいところです。
ただし、27年前の作品ということで作品を見直さないとパロディーが入っていても気付かないでスルーしてしまう可能性も(笑。
海外ドラマ「SUITS」は「ホワイトカラー(白襟のワイシャツを着て頭脳労働している人)」に憧れる男性からの注目も大きかったと聞きます。
海外ドラマ「SUITS」と日本リメイク版「SUITS」は、FODプレミアムで配信されています。
メインキャストやストーリーの脚色を比較しながら楽しめる作品として私の評価は高いドラマです。